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リスク定量評価関連情報

概要

ここでは、SOMPOリスケアマネジメントの定量評価手法におけるデータ分析、リスクモデル、定量評価結果とリスク指標について説明しています。
また、当社が執筆した定量評価に関連する論文について紹介しています。

関連情報

リスク分析フロー

ステップ1:データ分析

当社の「リスク定量評価手法」のフローは、まずターゲットとされるリスクのデータ分析から始まります。ここでは、対象とする企業のデータだけではなく、損害保険関連事業から得られた膨大なデータを活用して、さまざまな観点からデータの特性に最も適した分析を行います。

例えば、リスクの発生メカニズムは複雑であるが結果のデータが大量に得られる場合には統計的分析を、データが少なくてもリスクの発生メカニズムがある程度解析されているリスクに対しては工学的・理学的知見をベースとした解析総合的分析を行っています。

〈リスク定量評価手法のフロー(例)〉
リスク定量評価手法のフロー(例)

ステップ2:リスク事象のモデル化

次に、分析によって得られたリスクの定量的な性質をモデル化します。モデル化にはイベントツリーのような工学的手法や、推計学的解析のような統計・推計的手法を用いています。
そしてリスクを定量的に評価した結果を表すのが「リスクカーブ」です。
SOMPOリスケアマネジメントの「リスク定量評価」は、リスク表現方法として、リスクの発生確率と損害額からなる「リスクカーブ」を採用している点に特徴があります。リスクカーブからは、損失期待値やValue at Risk 等のリスク指標も求めることができます。

〈リスク事象のモデル化〉
リスク事象のモデル化

  • イベントツリー
    イベントツリー手法とは、事象を変化させる要因に対し、変化の確率を与え、複数要因の結果として生じるイベントの確率とそのイベントによる損害額を関連づける手法です。 原子力設計のフェイルセーフフローにも用いられています。
    下の図は、火災による損害のイベントツリー分析の一例です。イベントツリーのエンドブランチからリスクカーブを算定します。
    〈イベントツリー分析(例)〉
    イベントツリー分析(例)
  • 推計学的解析
    多くのデータが存在する場合、そのデータに対して各種の推計・統計解析を行うことによって、定量化指標を算出することができます。 その場合、損害発生の確率分布が各種関数(例えば正規分布、ワイブル分布など)にて表現できると仮定して、実データからその関数型やパラメータを求める方法もあります。
    下の図は、その一種であるF-D解析のフローチャートです。これは、リスクの発生頻度と損害規模を個別に分析し、確率合成をすることによってリスクカーブを算定します。
    〈F-D解析のフローチャート(例)〉
    F-D解析のフローチャート(例)

ステップ3:リスクの定量評価

  • リスクカーブ
    小さな損害額にとどまるケースから巨額の損害に至るケースまで、さまざまなリスクシナリオの発生確率と損害額を算定し、これらの関係をグラフ化したものがリスクカーブです。横軸には損害額を、また縦軸にはある損害額を超過する損害が生ずる可能性を超過確率として表しています。
    〈リスクカーブ(例)〉
    リスクカーブ(例)
    このグラフから、どの程度の損害がどの程度の確率で発生するかを数値で知ることができます。リスクの全体像を定量的でかつ視覚的にもわかりやすく表現している点が特徴です。
    また、リスクカーブからは損失期待値やPML(Probable Maximum Loss‐予想最大損害額)の発生確率を知ることもできます。リスクカーブは超過確率0~1の各確率におけるValue at Riskを描画したものとも言えます。標準偏差などの各種の統計量を求めることも可能です。
    さらに、リスク対策によるリスク低減量をグラフ化することで、投資効果を視覚的にもわかりやすく表現できるなど、リスクマネジメントの意思決定上も有効な指標として活用できます。

リスク定量評価指標

リスク定量評価の結果として用いられている指標は、主に以下の3つです。

  1. PML(Probable Maximum Loss‐予想最大損害額)
    どのような事故や災害のシナリオを想定するかによって損害額は変動しますが、ある一定の条件の下で、最悪ケースの損害額を算定したものがPMLです。最悪ケースの損害規模を認識するためには有意義な指標ですが、発生確率が明確ではないこと、また現実に起こり得る多様なリスクシナリオの一部を切り出したものに過ぎないことから、リスクの全体像を表現したものではありません。
  2. VaR(Value at Risk)
    100年に一度起こる確率のもとでの損害額は10億円というように、ある発生確率における損害額を評価する指標であり、金融業界等では広く用いられています。上記(1)のPMLもある意味ではこのVaRの一種と考えることができます。PMLと同様にリスクの全体像は表現していません。
  3. 損失期待値
    ある事故・災害シナリオの発生確率と損害額との積和から算出されるものが損失期待値です。この指標には発生確率と損害額の両面が含まれており、リスクを単一指標で表現するには、もっとも適切であると言えます。

関連論文

  1. 阿知波正道、水谷守 2001. 広域に存在する施設群に対する地震リスク評価(Part3 損害保険ポートフォリオ解析) 2001年度 日本建築学会学術講演会(PDF形式、119kバイト)
  2. 阿知波正道、水谷守 2001. 地震損害保険ポートフォリオ算定手法 第18回 日本材料学会 材料・構造信頼性シンポジウム(PDF形式、162kバイト)
  3. 阿知波正道、佐々木孝良、水谷守 2002. 火災伝播確率マトリックスを用いた火災リスク定量評価モデル 第12回 地域安全学会研究発表会(PDF形式、52kバイト)
  4. 龍神弘明、水谷守、嶋登志夫、小野一明、棟方章晴 2007.8 建物被害推定に関する検討(PDF形式、269kバイト)
  5. Mizutani, Sato & Yoshida: Seismic Risk Assessment Procedures for a System consisting of Distributed Facilities -Part One- Basic Method of the Procedures, ICOSSAR2001.(PDF形式、51kバイト)
  6. Yoshida, Imazuka & Mizutani: Seismic Risk Assessment Procedures for a System consisting of Distributed Facilities -Part Two- Seismic Hazard Modeling, ICOSSAR2001.
  7. Achiwa, Sato & Mizutani . Seismic Risk Assessment Procedures for a System consisting of Distributed Facilities -Part Three- Insurance Portfolio Analysis, ICOSSAR2001.(PDF形式、92kバイト)

執筆者紹介

阿知波 正道
SOMPOリスケアマネジメント株式会社 リスクコンサルティング事業本部 ERM部
佐々木 孝良
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
棟方 章晴
SOMPOリスケアマネジメント株式会社 アナリティクス部
佐藤 元英
SOMPOリスケアマネジメント株式会社 リスクコンサルティング事業本部 コンサルティング部
水谷 守
株式会社モダンエンジニアリングアンドデザイン 代表取締役社長
SOMPOリスケアマネジメント株式会社 技術顧問

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